初ツッコミ
明けましておめでとうございます(当方喪中ですが)。
前の記事が異様に重かったので,新年のご挨拶とともに,細かくムカつくことにツッコんで,2006年のスタートをスッキリ切りたいと思う。
▼「ピアニッシモ・ペシェ・メンソール・ワン」なるタバコが発売されている。とある販売店さんのサイトをご覧あれ。
ペシェとはフランス語で「ピーチ(桃)」の意味。名前のとおり、ふんわり漂うピーチの香り。
ここでカチーン。
違うよ。違うんだよ!
どう違うか聞きたい?
フランス語で「桃 pêche」といえば「ペシュ」または「ペッシュ」である。マルシェで買い物もでけへんでほんまに。
でもって「ペシェ」は「罪 péché」という意味である(道徳上のね)。
ぜんぜん違うのである。
▼これはケアレスミスなのか? そうではないだろう。日本人にはどうせフランス語の読み方なんて分かれへんやろという,命名者の「親心」に違いない。ぜんぜんわかっていなかったらあのアクサン・シルコンフレックス(「^」のこと)は使えまい。というか綴りは調べたはず。確信犯なのである。
私が小腹を立てているのは,その故なのである。
しかもしかも,「ピアニッシモ」はイタ語,「ペシェ」はなんちゃってフラ語,「メントール」「ワン」は英語の単語だぞ。なんという頭の悪い命名であろうか。しかしそれは命名者が頭が悪いというのではなくて,彼/女が消費者のレベルに合わせてくれているというわけなのである。
ナメられたものではないか! 諸君! ほれ。怒れ怒れ!!
正しいフランス語の発音でどうして書かないかなぁ。こういうところでちゃんと書いてくれていれば,日本人のフランス語への理解もちったあ増すだろうに,これやったらみんな間違って覚えてまうやないか。
子どもにものを教えるのに,変に噛み砕いてわかりやすくせんほうがいいというのと同じですな。最初っから正確に教えないと,あとで勉強し直しなのである。
みんなでレベル下げてくんやなくて,お互いに上げていこうよ。ほんまにしかし。
▼しかし。「桃」ならぬ「罪」とはまた。実はこういうところに,愛煙家の罪責感を見て取れるのかもしれない。いわゆるフロイディアン・スリップ(フロイト的言い間違い)というやつである。たばこを吸うことを「罪」と知りつつやめられない,という。
しかし「ピアニッシモ」だけに,「微罪」なのだと言いたいわけね。はん。
んー,それにしても,今日はやけに細かい……。
ディスカッション
コメント一覧
あけましておめでとうございます。
英語圏の人はシャンゼリゼもチャンプスエリジーズと発音してたりしますのでもしかして英語読みなのか?のわけないですね。
今年もよろしくお願いしまーす。
明けましておめでとうございます。
(いつもボーッとしていて日時の感覚があまりない私にとって正月に最も気をつけなければいけないことは,「おめでとうございます」とだけ言われた瞬間,気が動転して,「ありがとうございます」と言ってしまわないことです。)
英語読みはないでしょうね。逆にフランス人にひとこと。
「メール mail」のことを,「マイユ」と発音するのはやめれ!!!
Mailleというマヨネーズとかのメーカーありますよね。発音だけだとあれのことかと思っちゃって。
こちらこそ,今年もよろしくお願いしますです。
明けましておめでとうございます。(と、喪中の方へ申し上げてよろしいのか…。よろしくないですよねえ。)
新年早々笑わせていただきました。
それにしてもちゃんと意味を知りながらこの煙草を吸うと頽廃的な気分に浸れそうですね。
shibaさん,おめでとうございます(喪中でも,いいんです私は)。
shibaさんはパリにお住まいなんですよね。そちらに住んでおられるとこういう日本事情の細かい風合いが伝わってきませんでしょう。
> それにしてもちゃんと意味を知りながらこの煙草を吸うと頽廃的な気分に浸れそうですね。
そうですね。罰が当たって,脳内が酸欠になって,クラクラしたり。それはある意味普通か。それとか,脳がスポンジ状になるとかではないかと思います。
ともかく,ウケたようで何よりです。スッキリしました。
はじめてコメントを入れます。激高老人のぶろぐ作成助っ人です。ぶろぐ開設にあたってはお世話になりありがとうございました。
「初ツッコミ」おもしろかったー。激高老人氏と共に大笑い。激高老人も街のお店の看板において同様のことがよく気になられ、店員に注意をしにわざわざお店に入ってゆかれます。しかしどこの店員も堂々としたもので、間違いだと言われても「日本語ですから」と、まったく気にしない風です。注意をしにゆく激高老人にも、またそれに対する返答にも、毎回結構笑えます。
nakanoさん、今年もよろしくお願い申し上げます。
「初ツッコミ」、私もウケました(笑)。
こういうネーミング、多いですよね。日本だけでしょうか?
あ、先週の金曜日に無事、滞在許可証をゲット致しました。一安心です。実はもう既に一時帰国しようかと、策略を練っております…。
皆さんどうもです。なかなか返事するいとまもなく不義理をいたしております。
しょうちゃんさん,
激高老人先生の記事,昔読みました読みました。レザンジュでしたっけ。店員に実際に注意するところが(「注意」って)いいです。義の人だと思います。
いえ,細かいミスだと言いやすいのですが,店名がすでに間違っているとかだと,言ってしまっていいのかちょっと考えてしまいます。
僕のフランス語会話の先生(フランス人)は,大分に「~du Ange」という店を見つけたそうです。天使の何とか,という意味なんでしょうが。彼いわく「惜しい! de + le の縮約形までわかっているのになぜ……」(笑)。正解はもちろん「~de l’Ange」ですね。
gettyさん,
こういうネーミング,増えている気がするのです。脳が副流煙に冒されたような感じのが(当方嫌煙家)。
一時帰国,語学的にもいいですよ。日本に帰って来ると「おお。全員日本語しゃべってるぞ」と当然のことに小さく驚くわけですが,もう一度向こうに行ったときには,耳がフランス語ウェルカムの状態になっています。耳がフランス語を欲するのです。いや,メチャクチャ上達ってわけでもないですが,階段を一つ上がるくらいの感じはあります。インターバルって必要なんですよね。
nakanoさん
>一時帰国,語学的にもいいですよ。
>インターバルって必要なんですよね。
あぁ!nakanoさんもそう思われますか?!
実は、こういう経験私自身も以前にあったのですが(しかし、決して大したレベルではなかったんですけども…。)、他の人もそうなのかどうかは不明だったので、今nakanoさんのコメントを読んで、やはりしばしの休憩は必要なのかなと思い始めました。
もちろん、そうかといって、それを目的に一時帰国、というのでもないのですが(苦笑)。年齢的なものでしょうか(?)、ホームシックというヤツのようです。これまでは、海外生活をしていても日本が恋しいだなんて一度も思ったことがなかったのに、今回ばかりは勝手が違うようです。フランス語があまりに出来なさ過ぎるせいかもしれませんが…。
nakanoさんのコメントのお陰で、やはり一度帰るのも悪くないなと再確認致しました。早速ネットでチケットを探します(笑)。
明けましておめでとうございます。
ウケました!よくありますよね。いろんな欧米語のミックス。「ちょっと調べればいいものを・・・何故?」と不思議だったけど、そうか、確信犯だったんですね。
近所に通りかかるたびに笑ってしまうお店があります。「紳士服のスメル」よく売れるな~と思って。
ビアンカさん,ご無沙汰です。
うぉー。紳士服のスメルはちょっといただけないですねー。いわゆるおっさん臭いわけでしょう。
外来語ミックスというのからはずれてよければ,うちも田舎なので,「そのネーミングはどうだろう」と思わせる店は多々あります。「喫茶 七転八起」とか。
しかし,この記事しょーもない割にウケすぎ。真面目な記事にはこんなに反響ないのに。
nakanoさん
あぁ…。ツボにハマってしまいました。
>「喫茶 七転八起」
うぅ…。すいません、またレス付けてしまって。
nakanoさん、お久しぶりです。
ふらんすさんの所からお邪魔して、以前時々拝見させていただいていた者です。
フランス語のカナ表記で「違うんだよ!!」とおっしゃる気持ち、そして伊語・仏語・米語と並べ立てて使われてることへの違和感、わかります。
しかし、仏語の発音に実際に触れていないデザイナーさんが作ってたとしたら、こういった間違いも仕方ないかもしれませんね・・・。(プロのコピーライター等が命名したのであれば、もう少し勉強してもらいたいものですが。)
でも実際のところ、仏語の発音をできるだけ忠実にカナ表記するというのは至難の業でもあるんだろうなぁ、というのがわたしの気持ちです。
一時期「発音記号」を広告などで使うのが流行ってましたが、やはりアレが一番正確・確実でしょうか(笑)
yacoさん,こんにちは。
たしかに,フランス語の発音をカタカナで書くことは難しいですが,この発音はこう書くんだ,と決めてしまえば機械的に書くことができますよね。ご承知のとおりフランス語は読み方の規則はとても律儀ですから。
「Comme ça du mode」を「コムサ・デ・モード」と書くのはやめようと思えばやめれるのではないかと。
しかし,難しい。だから問題は,すでに定着してしまっているものは正しいからといって変えることができない,という問題なんでしょうねぇ。
明石屋さんまが「ほなradioを『レイディオ』言うんか。ラジオはラジオやろ」と言っていたのを思い出します。あるいは徳永英明とか。
「v」を「ヴ」で表記するというのも,そういう方針を採用したとして,「ヴァイオリン」とは書けますが,そして「レヴェル」もギリギリ何とかいけますが,「テレヴィ」とまでは今さら書けないわけです。
本とか作るときにマジ困ります。
と、いうことは・・・
「ペッシュ」はすでにカタカナ日本語として定着していたのですか!
(こちらのほうがビックリだったりします・・・)
なんで日本語を使わず外国語を無理やりカタカナ表記してまで使いたがるのか、そちらも疑問に思います。
そしてフランスでは「東京製」なんて漢字で書かれたカバンを肩から下げた若い子たちがいるわけですから・・・謎ですねぇ。
> 「ペッシュ」はすでにカタカナ日本語として定着していたのですか!
いえいえ,「ペッシュ」がカタカナ日本語として定着しているとは言えませんが,少なくとも日本人にとってそう発音することは容易ですし,カタカナで書くことも難しくないと思うわけです。この語はたまたま。他の語には難しいものがあるとしても。
> なんで日本語を使わず外国語を無理やりカタカナ表記してまで使いたがるのか、そちらも疑問に思います。
しかし,このタバコの名前をぜんぶ日本語にしたら「極小桃薄荷一号」みたいになっちゃいますけど。中国語ではそう書くんでしょうかね。
まあ,外国語で書くんならちゃんと書け,と言いたいだけです私は。
> そしてフランスでは「東京製」なんて漢字で書かれたカバンを肩から下げた若い子たちがいるわけですから・・・謎ですねぇ。
ホントに。いいかげんベッドに「畳」って大書するのはやめてほしいですね。違うんですから。
ペッシュはたまたま、でしたか。
heureux とか「カタカナで書け」と言われても困りますよね。
>「極小桃薄荷一号」
コレ、笑っちゃいました(笑)
「星の王子さま」は中国語で「小王子(Le petit prince)」なんですよね。そんな感覚でしょうか。
わたしが言いたかったのは、子供の名前には大和仮名(でよかったでしょうか?)などが流行っているのに、もっと日本語の美しさを十分引き出すような商品名を考えてもいいんじゃないかと、まぁ、そういうわけでした。
>いいかげんベッドに「畳」って大書するのはやめてほしいですね。
確か、「畳omote」っていう名の会社があったような・・・FUTONを売ってる会社です。もしかしてそこの商品だったりするのでしょうか?
実はウチにもFUTONソファーがあります。夫も義父母もこれを「布団」だと信じきっていたので、皆で日本旅行した際にわざとバスルーム付き和室を予約し、「これが布団なんだぞ!」と説明して敷いて、寝てもらって、ようやく納得してもらえました。(写真取りまくってましたよ。笑)
でも、日本にも「おかしな“西洋風”」って沢山あるんでしょうね。
> heureux とか「カタカナで書け」と言われても困りますよね。
ああっ。身をよじるほど困りますねぇ。
> わたしが言いたかったのは、子供の名前には大和仮名(でよかったでしょうか?)などが流行っているのに、もっと日本語の美しさを十分引き出すような商品名を考えてもいいんじゃないかと、まぁ、そういうわけでした。
同感です! もっといろいろあるだろうにと。
先日,業務用ソフト(成績管理とか)の名前にやたら「○○くん」というのが多いことに気がつきました。たぶん先発商品があると,名前をつける人の発想の幅が狭まるんでしょうね。
FUTONソファー,うちも持ってました。たぶん同じ会社のものでしょうね。よくメトロの地下道なんかに広告が出てます。それでも普通のベッドより寝やすくて,帰国時に譲った友人がsuperだと申しておりました。
「これが本物なんだぞ!」って教えたいことてんこ盛りですよね。ほんとに。そんなんベッドに「畳」て書かれたら,しょうゆ瓶に「ソース」て書いたあるようなもんですわ(譬えツッコミ)。
日本のおかしな西洋風は,まあいちばんよくあるのはTシャツとかに書いてある英語が変とか。フランス語を書いているのも最近ありますが,やっぱり間違ってるとか。そんなのでしょうか。もっとパワフルなネタがあったら募集します!
>業務用ソフト(成績管理とか)の名前にやたら「○○くん」というのが多いことに気がつきました。
父が使ってた年賀状作成ソフト「筆まめくん」を思い出しました・・・そんな感じでしょうか。
>FUTONソファー
ウチは確か・・・シャンゼリゼ(エトワール)のメトロ入り口入ってすぐの地下道の広告の店で買ったような・・・(笑)
これとは他に、「畳omote」とデカデカと書かれたトラックを市内で時々見かけるんです。その店であろうと思われるところを発見したんですが、なんと、ちゃんとした「畳」も売られていて目を輝かせてしまいました。欲しい・・・。
(今時日本で畳を買うと中は発泡スチロールのような合成品で、歩くと硬く感じますが、こちらのはちゃんとワラとか入ってる感じのれっきとした畳でした。)
>日本のおかしな西洋風
今思い浮かぶのは、「ソファーの頭部分にかけられているレースの白い布」・・・。(新幹線の座席然り。)
「室内用スリッパ・トイレ用スリッパ」←フランスでは室内履きでトイレにも入る。
こんなもんでしょうか。
我が実家にて、義父母も夫も、よく「トイレ用スリッパ」で台所まで来て、わたしたちに指摘されて赤面してましたよ(苦笑)
> なんと、ちゃんとした「畳」も売られていて目を輝かせてしまいました。欲しい・・・。
あっちで住んでいると畳はものすごく恋しくなりますが,めちゃくちゃ高いでしょう。そんなことないですか?
> 今思い浮かぶのは、「ソファーの頭部分にかけられているレースの白い布」・・・。(新幹線の座席然り。)
え,あれって「西洋風」が起源なんですか? 単に整髪料とかおじさんの脂で汚れないように,という日本的衛生観念かと思っていたのですが。
トイレのスリッパを分けるのも日本的ですよね。すべては衛生観念の違いかと。
畳は、値段見てないですが、きっとすごく高いだろうなって思います。でもちょっと憧れです。パリのアパートに畳敷き・・・(笑)
ソファーの頭部分の布は、調べたわけはなくわたしが勝手に考えているだけなのですが、「西洋に存在しない」けれど、「西洋っぽい」と日本人が思っている・・・という考え方からです。それは日本的衛生観念から生まれた「ニセモノの西洋のイメージ」だろうと思うんです。衛生重視であるなら、きれいなレースの布にする必要性は無く、革のソファーなら毎日拭けば良いのですから。
トイレのスリッパは、衛生観念もあると思いますが、それ以上にあるのが日本の「陰陽を分ける」文化だと思っています。
「履き替える」という行為が、忌むべき場所と住まいとの線引きをしているのではないかと・・・。(実際問題、狭い家の中にある半畳ほどのトイレに専用スリッパを置く必要があるのか?それよりトイレの床掃除を頻繁にしたほうが良いのでは?とも思います。そういう掃除用の除菌ペーパー売ってますよね。)