初ツッコミ

2020年4月24日

明けましておめでとうございます(当方喪中ですが)。

前の記事が異様に重かったので,新年のご挨拶とともに,細かくムカつくことにツッコんで,2006年のスタートをスッキリ切りたいと思う。

▼「ピアニッシモ・ペシェ・メンソール・ワン」なるタバコが発売されている。とある販売店さんのサイトをご覧あれ。

ペシェとはフランス語で「ピーチ(桃)」の意味。名前のとおり、ふんわり漂うピーチの香り。

ここでカチーン。

違うよ。違うんだよ!

どう違うか聞きたい?


06-01-05_11-54.jpgフランス語で「桃 pêche」といえば「ペシュ」または「ペッシュ」である。マルシェで買い物もでけへんでほんまに。

でもって「ペシェ」は「罪 péché」という意味である(道徳上のね)。

ぜんぜん違うのである。

▼これはケアレスミスなのか? そうではないだろう。日本人にはどうせフランス語の読み方なんて分かれへんやろという,命名者の「親心」に違いない。ぜんぜんわかっていなかったらあのアクサン・シルコンフレックス(「^」のこと)は使えまい。というか綴りは調べたはず。確信犯なのである。

私が小腹を立てているのは,その故なのである。

しかもしかも,「ピアニッシモ」はイタ語,「ペシェ」はなんちゃってフラ語,「メントール」「ワン」は英語の単語だぞ。なんという頭の悪い命名であろうか。しかしそれは命名者が頭が悪いというのではなくて,彼/女が消費者のレベルに合わせてくれているというわけなのである。

ナメられたものではないか! 諸君! ほれ。怒れ怒れ!!

正しいフランス語の発音でどうして書かないかなぁ。こういうところでちゃんと書いてくれていれば,日本人のフランス語への理解もちったあ増すだろうに,これやったらみんな間違って覚えてまうやないか。

子どもにものを教えるのに,変に噛み砕いてわかりやすくせんほうがいいというのと同じですな。最初っから正確に教えないと,あとで勉強し直しなのである。

みんなでレベル下げてくんやなくて,お互いに上げていこうよ。ほんまにしかし。

▼しかし。「桃」ならぬ「罪」とはまた。実はこういうところに,愛煙家の罪責感を見て取れるのかもしれない。いわゆるフロイディアン・スリップ(フロイト的言い間違い)というやつである。たばこを吸うことを「罪」と知りつつやめられない,という。

しかし「ピアニッシモ」だけに,「微罪」なのだと言いたいわけね。はん。

んー,それにしても,今日はやけに細かい……。