パース『連続性の哲学』復刊投票のお願い

2018年7月26日

豊後大学の亀井雲右衛門でございます。

以前もここで,マルセル・モース『社会学と人類学』についてアナウンスさせていただきました。おかげさまで現在75票を獲得し,ブープル経由でこの本のI巻のみ,入手することができるようになりました。単価が7000円を超えるというのはいかがなものかとは思いますが……。ともあれ,皆さまのご協力の賜物です。ありがとうございました。

ところで最近,アメリカの哲学者チャールズ・サンダース・パースの『連続性の哲学』(岩波文庫)が品切とのことを知りました。これは由々しき事態でございます。本書は伊藤邦武先生の編訳として2001年に刊行されておりますが,おいおい5年でもうかよ,と言わざるを得ません。

本書の内容の優れたことといったら,そらもうえらいことでございます。人間の推論,科学の方法論から,果ては宇宙論まで,すべてを「連続的」に捉える壮大なパースペクティヴは,現代にも通用するきわめて先鋭なものであると同時に,実際のところラカンやドゥルーズにも相当の影響を与えていると言われております。特に本来認知科学の方面などにはパース哲学についての深い理解が俟たれておると言えます。

にもかかわらずこの体たらく。天下の岩波が市場原理ごときに搦め捕られて一体なんとしましょうか。アマゾンのマーケットプレイスでは3000円近い値がついているこの本書を,定価の700円で売ることこそが,わが国を代表する学術出版社・岩波にとって天与の使命なのではないでしょうか。

そこでわれわれ労働者は立ち上がり,復刊リクエストを再び敢行することと致しました。

C・S・パース『連続性の哲学』 復刊リクエスト投票

皆様方のご協力を,よろしくお願いいたします。