エジプトの動向,メディアの問題

2018年6月1日

情報化社会などと言うけれど,情報というのはただ待ってたら入ってくるものではない。世界で起きている問題をどう考えるか,いいことなのか,悪いことなのか,誰が特をして誰が損をするのか。われわれ自身はどう対処すべきか。そういうことを判断するために,必要な情報というものがある。残念ながら,ただテレビの前に座っているだけでは,そのような情報にはありつけない。←ここ大事

自分からそうとう能動的に動いていかないと,十分な情報は得られない。特にアラブ世界のことはなかなかキャッチしにくい。アラビア語で書かれた情報の解読はさすがに無理……(個人的に)。なので,アラビア語の読める人のお話が貴重となるはず。

にもかかわらず,この種の重要な問題についてテレビに映し出されるのはどうでもいい素人のコメントばかりだ。何でこの問題でこの人にコメントを求めるのだろう,といつも不満に思うのだが,きっとあれは放送事故を回避するための「埋め草」なのであろう。

911テロ〜アフガン戦争のとき,「タリバン」が何で「北部同盟」がどんな組織だったか,正確に知っていた日本人はどれくらいいるのだろう。パキスタンの国益がどう絡んでいて,バーミヤンの石仏が美術史上どう評価されていたのか,どれくらいの日本人が知っていたのだろう。――とか思って試しに学生に聞いてみると,果たせるかなほとんど誰も何も知らない状態である(聞いた相手が悪いとも言う――でもメディアに就職希望の学生も含まれているのである)。

インターネットの時代はそれなりに楽ではあるよ。探せばいいだけだから。ウィキリークスとか。動画サイトとかまとめサイトとかあって。なんて便利な。要は疑問に思ったときにググればしまいなのであるが,自分がクビになりそうな日常に忙殺されて国際問題には関心を持てない人々も少なくないのも状況としてしかたないかもしれない。

というわけで,エジプトの問題を猛勉強せよ,なう(※学生向け課題)。
いまエジプトで起こっている騒ぎを何と見る? 
ヒント(安心してください日本語です):
http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10788441634.html
エジプトの一般国民に近い意識であろう人の見解である。中東の歴史をある程度知っていれば,大いに説得力ある見解ではないか? 

まあこれはこれで偏りはあるだろうが,われわれとしてはいろいろな見解を徹底的にチェックして,「おそらくこのへんが正しいかな」というポイントを自分で見つけるしかないわけだ。メディアの言うことは「真実ではない」とまでは言わないけれど,「すべてではない」ということだけ,ここでは強調しておきたい。

時事

Posted by 中野昌宏