苦労話(1): プロトコル・ダキュイの壁

いま苦労の真っ最中なので本当はあとにしたいのだが,ぼちぼちフランス(パリ)生活の苦労話を綴っていこうと思う。このやる方ない憤懣を忘れてしまっても癪だからね。ちなみに今回から敬体はやめて常体に切り換えたい。勝手ですまない。

さてさて,世間では「バカの壁」が流行っているようだが,むしろ「海外研修の壁」こそが幾重にもわれわれの前に立ちはだかっているのである。幾重にもといって,どんな壁があるのか。そこにはあんな壁やこんな壁があるのであって,ここではそれを紹介していこうと思う。とりあえず今日はその第一弾。「制度の壁」てなところか。でももうちょっと絞って「プロトコル・ダキュイの壁」と題してみよう。

海外研修の企画で重要なのはまず資金的裏付けを得ることである。吹けば飛ぶような大学教員の薄給だけでは受け入れ国が絶対に信用しない。特にフランスの場合,移民労働者が溢れ返っていて,カネを落としてくれるガイジン以外は要らない的論調がつい強くなりがちな趨勢であったし,その状況はいまも変わらない。Front Nationalですよ。右傾化状況ですな。

これは私の場合は幸運にも文科省の在外研究員(若手枠)の権利が当たったので,それをアピールすることにより「カネを落としてくれるガイジン」と認められたのか,クリア。これは運で決まるから,言うべきことは特にない(もうこの制度はなくなった。私がたぶん日本史上最後の文部科学省在外研究員である。あ,制度が復活すれば別だが)。

次に受け入れ先機関を決める。私の場合は英語の授業を担当していることもあり,さくっと英米圏かなとも思ったが,特に関心があるのがラカン(フランス人)だし,第二外国語から攻めるのも悪くないし,それに英米圏なら他のファンドでも行けそうという読みもあって,フランス狙いとした。

で,どうせならラカンの弟子(ミレールという人)がいるパリ第8大学がいいな,と思いつつ恩師に「いいところありますかねぇ」と相談すると,「パリ8は?」と逆に聞かれる始末。いい感じである。

これでまあ「たぶんクリア」なのだが,しかし,ひとひねり必要であった。というのは,ミレール先生には連絡がつきにくかったので,エコール・ドゥ・ラ・コーズ・フロイディエンヌ(ECF)という,ラカンが生前つくった団体に属するA氏に,恩師を通じてまず招聘状を書いてもらった。ここで皆さん「?」と思うかもしれないが,招聘状というものは,こちらが行きたいから先方にお願いして書いてもらうものなのである(っていうかそういうケースは多い)。

この招聘状は,それ自体完璧なものだったが,この件に関して事務サイド的に有効かというと,どうもそうではなかった。というのは,文科省の受け入れ先は「公的機関」でなければならないとされていたからである。勤務先である大分大学の事務に再々問い合わせてもそのような返答しか返って来なかった。「やぶへび」というか,「聞いたもん負け」の質問だったような気もするが,聞いてしまったのだからしかたがない。それに,どのみち必要になる「プロトコル・ダキュイ Protocol d’accueil (受入議定書)」という今回問題の書類(以下参照)も,ECFは出せないようである(未確認)。

日本の感覚では,ECFという学術団体ないし学会は,「私的」な団体である(意外だろうか? 学会は一般に,公的な団体ではないのだ)。少なくともお役所的にはそう見えるはずだ。仮にそれがいかに公共の役に立っていたとしても,設立形態がね。フランス的には「1901年アソシアシオン法」という法律があって,これに基づいて設立された団体はみんな「ちゃんとした団体」なので,この法律に基づいているECFがちゃんとしていないわけではもちろんない。しかしやはり,フランス政府的に「公的」であるかどうかが問題なのである。フランス政府公認公的機関は,政府のどこかのウェブサイトにリストアップされていた(どこだったかな。いまちょっと見つけられない)。きっとそのリストに入っているかどうかが問題なのであろう。見るとECFは入っていなかった。

うーん,しょうがない。A氏はとても親切な方で,メールで連絡しても反応が早く,日本でお会いする機会もあり,この人が受け入れてくれるのをぜひ希望したいところだったがしかたがない。のでパリ第8大学に属するB先生を再び紹介してもらった。大学は,正真正銘の公的機関である。

要はこの人に「めんどくさいけどまあ受け入れたるわ」というサインを教員人事部に出してもらい,その人事部から「プロトコル・ダキュイ」なる謎の書類をゲットしなければならない。しかもそれには受入機関と,受入機関を管轄する県庁のハンコが押されていなければならない。これが何に要るかというと,フランスに3ヶ月以上滞在するための「研究者ビザ」を取得するために要るのである。

ちなみにB先生が実際に「めんどくさい」と思ったかどうかは知らない。が,結局若手外国研究者を受け入れることなど相手にどんなメリットがあるのかよくわからんし,とにかくこういう手続きのあり方は先方に迷惑をかけるだけの,あまりよいものではないと思う。しかも向こうの大学としては,どこの馬の骨かわからん人物を受け入れることに220ユーロほどの金銭的負担を強いられるようである(このへんのことはまた改めて)。受け入れることにもっとちゃんとメリットがあれば,国際学術交流も活性化されていいのにね。ていうかそれはオイラがパリ8で何か奉仕せなあかんということかな。向こうもメリットを感じるように……。

それはさておきここからプロトコル・ダキュイの壁はわれわれの眼前に厳然と立ち現れる。というほどではないけれど。これしきの文書の作成など,ちょいと事務能力の高い教授,あるいはその秘書が1人いれば何ら問題のないはずの手続きである。独立行政法人化のための文科省あて文書づくりをバリバリしてきた日本人教授ならおそらく0.02人もいればオッケーなはずである。ここまでこちらに住んでみて感じるのだが,フランスの人々というのは,事務能力の高い人と低い人にはっきり分かれていて,両者のレベルの差がたいへん大きい。そして後者が圧倒的に多い。その話は能力というより労働意欲の問題と関係があると思うし,それはまた別のところで書くことにするけれども,まあ独断と偏見で言えばそんな感じである。

話を戻すと,要するに,こちらが出した条件に諾と言うつもりならば,こちらが送った履歴書から氏名住所勤務先を,そのプロトコル何たらの様式に転記して,ハンコを押せばよいのである。しかし,こういう簡単な仕事がなかなかはかどらないのがパリの空の下である。むしろ上の空なのか。

最初に私が受け取ったプロトコル・ダキュイには,おいおい,あろうことか4ヶ所ものケアレスミスが含まれているではないか。その4ヶ所とは,住所,大学名,肩書,滞在期間,というものだった。滞在期間もまずいが,大学名はいくらなんでもまずいだろう。存在しない大学名なんか書いて,ベタな偽造文書のようではないか。何でこっちが書いたとおりに書かんかな。ぶつくさ言いつつその4ヶ所について直してもらうよう秘書の方にまたお願いした。その秘書さんの名誉のために言えば,秘書さんが悪いのか,人事部が悪いのかはわからない。半分しかフォローになっていないが。

ともかく,2度目のプロトコル・ダキュイを受けとることになったが,やはり住所が間違ったままである。何でやねん,とか,パスポートと一致しなくて大丈夫だろうか,とか悩みながら,よく見ると鉛筆で修正を指示しつつ,その鉛筆書きを消したようだ。何だろう。直せばいいのに。素直じゃないのね。いま思えば,そこは大して重要でない項目であったのだろう。しかしそういう部分を咎められることもありうると思うが。係官によっては。

というわけで,私のプロトコル・ダキュイには今なおへんてこな住所が記載されている。たとえて言えば駄洒落が「一文字しかおおてへんやん」的な,そんな狂い方である。まあそれでも何とかなるようではある。

「苦労話(1): プロトコル・ダキュイの壁」への19件のフィードバック

  1. はじめてお邪魔します。
    フランスでの苦労話をすこし読ませていただきました。
    私のは笑い話かもしれませんが,フランスで運転免許証を日本のと交換した時です。
    係りの人が、私が申請書に書いた名前を直せというんです。
    なぜ?かと思うと,運転免許証は滞在許可証にある名前と同じで名前でしか出せないというんです。
    ほ?
    そうなんです。滞在許可証の名前が間違っていました。気づきませんでした。
    で、どうしたらいいの?と聞いたら,(1)滞在許可証の名前を変えるか?(2)運転免許証の名前を滞在許可証の名前に私が変えるか?とのことでした。
    もちろん、(2)にしました。
    ですから、私のフランスの運転免許証の名前は一文字ですが間違っています。
    で、家に帰ってよく見てみると,今度は運転免許証の日本の都道府県名が1文字間違っていました。
    いやぁ、フランス万歳と叫びたいですね。

  2. TKさん,書き込みありがとうございます。

    いやー。フランス万歳ですね。こちらの事務ってすごい腹立つときもあるんですが,見方を変えれば,取り締まりの方もいいかげんなので,強めに言うとすり抜けることもできるんですよね。

    ていうかどうしてもともと滞在許可証の名前が間違ったまま発行されたんでしょうね。パスポートと違ってたということでしょう? まあ日本人の名前とかって絶対一度では覚えてもらえませんからね……。

  3. どうしてもこりゃだめだろうなぁと思ったことでも、「不可能とはフランス語ではない」のです。

    VISAを持って来ていなかったんだけど、「書類のどこにもVISAを持ってこいとは書いていなかったし,自分の国のフランス領事館も『VISAは不要』と言っていた」と主張して、VISAなしで滞在許可証をもらった猛者を知っています。

    滞在許可証の名前が間違っている件ですが,滞在許可証の名前を印字する時に間違ったんでしょう。

    滞在許可証の間違いは名ですが、私の職場のホームページでは私の姓が一文字間違っています。

  4. 私も日政府系奨学金でこの秋から1年滞仏が決まったので、研究者ビザをとるべく、プロトコル・ダキュイの準備にかかっています。
    ”当館指定の書式”を使用することとのことなので、「大使館に書式を送って下さい」というファックスを送ってみたら、「受け入れ先のスタンプを押したもの、オリジナルが必要です」という一文だけの返事が来てしまいました。。
    ーーだから、その書式はどうすればゲットできるか、聞いてるんですけど??ーー全然答えになってないんです、、、
    ちなみにnakanoさんは、どうやって「プロトコル・ダキュイ」の書式を入手されましたか??
    教えていただければ幸いです。

  5. 初めまして。
    私も今まさに同様の問題が起きていまして、思わず書き込みをしている次第です。

    私は今年の9月からパリにて研究をする予定なのですが、さんざん待たされた挙げ句、やっと昨日プロトコル・ダキュイが郵送されて来ました。私の場合は間違いは一ケ所ですが、Mmeとすべき所が、Mlleとなっていました。プロトコル・ダキュイ作成に必要な事項は全て、きちんと先方に提出してあったのですが、事務方も、受け入れ担当の教官の方も(彼女とは何度か面識もあり、且つ私の主人とも会っているのですが…。)思いっきり”Mlle”以外の部分を線で消して送付して来ちゃってました。書類の見直しとかしないのでしょうか…?

    「これどうしよう…。訂正してもらうにもまた結構な時間がかかるに違いない…。」とかなり不安になっていたのですが、こちらのブログを拝見して、私だけではないんだ…と妙にほっとしてしまいました。一応、受け入れ教官の方にメールにてその旨を知らせ、ただ今その返事待ちです。(バカンス前には何とかしたいです!)

    あと、部屋探しの箇所も読ませて頂きました。私は取りあえずは単身で渡仏するのですが、正直部屋探しは今から頭が痛いです。

    ちなみに、私は在外ではありませんが、学振のお陰で渡仏するので、そういった意味でも大変親近感を覚えてしまいました。またこちらにお邪魔致します。

  6. gettyさん,コメントありがとうございます。来ました! 同業の方。ご同慶の至りです。いや違った。こういうこともあろうかと,後進のためにと恥も含めて公開してきた甲斐があったというものです。

    さて私も法的手続き等々にはたいへん神経質になっていた(そんなところでトラブったらたいへんだと思っていた)のですが,自分の経験から言いますと,自分の側に落ち度がない場合は強気に出て結構です。むしろナメられないように気をつけねばなりません。

    フランスでは,「窓口の人によって対応(用意しなければならない書類まで!)が違う」とよく言われます。つまり末端の人(窓口担当者)にかなりの裁量権があり,日本のように組織=システムが責任をとる=ある担当者の落ち度は別の担当者が穴を埋める,というふうには行かないのです。向こうの組織の誰かがミスをしたとしても,誰も責任をとってくれないわけです。権限だけあるのにですね。

    こちらの書類(といっても今回の場合フランスの大学が作った書類ですし)に不備があったときにも,「頼むで~後生やで~」と粘れば何とかなることもありますし,そもそも向こうが気づかなかったりしますし,ときには払うべき金銭もなぜか払わなくて済んだりします。日本人にしてみればとにかく「何じゃこりゃ???」なのです。「人間万事塞翁が馬」とでも申しましょうか。違いますよね。

    実は私も(詳細はまた今度書きますが)ヴィザについては更新時にまたややこしいことになり,不法滞在期間が数日間(10日くらいだったかな)できてしまいました。しかしもちろん何のお咎めもなし。ていうか誰がそのことに気づいているのかという。いや,んー,正確にはむしろ,大学・警察と交渉を続けているかぎり少々遅れても警察の了解事項のはずでしょう。要するに,書類づくりもいいかげんなら,取り締まり・追及の手も甘いのです。だからこの社会も何とかやっていけるという。

    線で消してあるならまあ,私の考えではたぶん大丈夫かと思います。もし咎められても「C’est pas ma faut !」と強く主張すればOKかと。むしろ,向こうにとっては,細部に至るまで正しい情報を正しく提供しようとしているまじめな渡航者とも言えるはずなわけですから,不利益を被る筋合いはこちらにはないはずです(と思いたい)。

    それと,こちらの大学(院)ではもう通常の授業は終わっていますので,大学がどの程度機能しているか非常に怪しいと思います。渡航されるのが9月ですとちょっと間に合わない気もします。いえわかりません。

    ではどうするか。私の提案では,とりあえず(1)訂正をお願いしてみて(このとき送ったメールをしっかり保存しておいてください),仮にそれがだめでも,(2)こちらに来られてから滞在許可証を得る際に,とにかくだめもとでいま手元にある文書をもってPrefecture de Police(警察庁)に行き,(3)そこで不備だと言われて初めて大学に行って「いますぐ直せコラ」と言えばいいだろう,ということになるでしょう(なお,その場合はできる限り「その場で」直させるべきです)。そのあとでもういちど警察庁に出向けば,今度こそ誰にも文句を言わせないで研究者ヴィザをゲットできると思います(経験的には研究者のセクションの窓口の人は割と優しいみたいです)。

    逆に言えば3カ月はまるまる猶予期間というか,渡航時のヴィザが有効ですし,書類を出してそれが受理されたときにもらう受け取り(Récépissé)というのが仮滞在許可証の役割を持ち,これが6ヶ月間有効で,この受領証が3ヶ月以内に出ればよいのです。受領証の効力のある6ヶ月以内にはいくらなんでも正式な滞在許可も出るでしょう。もし出なくても向こうの責任ですから,咎められたらレセピセを突きつけて「何やコラ,誰のせいや! 責任者を出せ! ジャック・シラクをここへ呼べ!」とか言えばいいのではないでしょうか。

    すみません,ちょっと調子に乗ったかもしれませんが雰囲気はつかんでいただけたのではないでしょうか。とにかく,「もらえるべきものがもらえなければ私はここを一歩も動かないわよ」という意思を明確に表示することが肝要かと思います。逆にそんなのはまあ演技でありまして,どのみち実質の問題ではないので,必要以上に神経質になる必要はないのでご安心ください。必ず,なるようになります。手間ヒマはかかるかもしれませんが最終的には皆さん何とかしておられますから。

    という拙いアドバイスをもちましてご挨拶に代えさせていただきます。

  7. nakanoさんへ

    早速のコメントどうもありがとうございます!大変嬉しいです。

    私の現在在仏の後輩もnakanoさんと同じく、「心配されるのは理解出来ますが、来てしまえば何とかなります。」というような主旨のコトを言っておりました。(しかも何度も。)

    まず私が心配したのは、東京のフランス大使館まで行って、「Mlleじゃないのに、Mlleってどういう事?」と言われたらどうしよう…。航空券もそろそろ発券されてしまうのに…ということでした。(行ってからのコトは考えていませんでした。危ない、危ない!)でも、まぁ本当に私のミスではないのでドドーンと構えていた方が良いのでしょうか。

    おそらく、私が「パリで2〜3年研究を続けたい」と考えているせいで、今からすでに「ビザ更新」のことが念頭にあり(変なイチャモンをつけられて強制送還されると研究出来なくなる、という不安)、そのせいで神経質になり過ぎていたのかもしれません。

    自分自身のコトなので、なるべく人に頼らずに自分でしっかりやらねば…と思っていたのですが、研究者ビザのコトなどはガイドブック(『パリ便利帳』など)の類いには詳細な記述がなく、大使館のHPも詳しいようで詳しくないような…。それで、困り果てて、在仏の後輩(実は彼は学振の関係で、京大からうちの大学に所属を替えたのです。nakanoさんとの偶然の繋がりがここにもあって吃驚です。そんな私も京大には色々とお世話になっています。)にメールで聞いたりしていたのですが、こちらのブログを見つけて、本当に「駆け込み寺を見つけた」かのように安堵しました。

    現在は、ネットで部屋を物色中です。念のためにホテルを一ヶ月程押さえようかと思ってみたり、2、3ヶ月ネット経由で部屋を押さえようかと思ってみたり…。如何せん限られた予算でやりくりしなければならないということと、これまでの貧乏学生時代の後遺症で、なかなか決心がつきません。恥ずかしながら、ホテル一ヶ月も、ネット経由での物件契約も私には贅沢に思えてしまうんです。でも、こうしてグダグダ迷っているうちに、結局トラブったりして、最終的には同じくらいか、それ以上のお金をどぶに捨てる事になっちゃうんだろうなーと経験に根ざした悲観的観測が広がって行きます…。

    これからもブログ楽しみに拝見致します。今後ともよろしく御願い申し上げます。

  8. 何度もすいません。

    実はコメントを書いた後、不安になってもう一度よくよくProtocol d’accueilを見てみました。そして、もう一つ間違いを発見しました…。生年月日が微妙に違っていて、「さすがにこれではイカンだろう」と思い、受け入れ教官と事務の方にまたまたメールを送る羽目になりました。

    これがフランスから受ける最初の洗礼なのでしょうか…。(まだまだ序の口っぽいですけど。)

  9. 残念ながら序の口ですねぇ。これがフランス攻撃の洗礼・国内篇の第1関門ですよね。第2の関門が大使館(ヴィザ取得)。これについても過去の記事にありますのでご参考までに。

    第3関門からが国外篇です。9月渡航の人々にとってはいま準備でたいへんな時期でしょうから,第3関門以降のことについて,ちかぢか新しい記事を書きますね。

  10. プロトコルの間違いについて。

    間違っているところを、同じ色のペンで直す。ちょっと汚くなってもいいので、直す。
    私の場合,滞在する期間の年が間違っていましたが,パリ7の担当者があら間違ってるわねといって、ペンで直しました。
    それでいいです。
    マダムかマドモアゼルかは重要ではないので、直しても直さなくても良い。

    肝腎要なところが、間違っていなければいいんです。
    まったく別人のものでは困るんです。あと、オリジナルが必要で、ファックスでは駄目です。prefectureの印がなければだめです。でも、名前が一文字間違っていてもいいんです(TKさんは、滞在許可証の名前が間違っていたんですから。そのくらいいいんですよ。)。

    この辺のいい加減さはフランスでいくつか経験しないとわからないかもしれないけど。あまり神経質にならないように。

    後輩君のいう通り、大丈夫です。大丈夫じゃないと言われたら、そのとき対処したら良いです。

    部屋探しは大変ですね。お察しします。
    単身でかつシャワーだけでいいなら、http://www.ciup.fr/
    シテ ウニヴァーシテもいいのではないでしょうか?
    一般のアパルトマンは文京区よりも左京区よりも高いです。

    impossible nest pas francaisなのです。
    がんばってください。

  11. nakanoさん、kawamotoさん

    コメントどうもありがとうございます。

    実は、あの後、受け入れ教官から「自分で直しといて。」というようなメールが来ましたので、早速直しておきました。

    ところが、今回は珍しく事務の人からもメールで返事が来ました。しかし…。

    ミスについて謝るどころか「我々はあなたが知らせて来た情報を示しただけだ。」と、間違いはそもそも私のせいだと宣っているではありませんか!!そういう自己主張する時だけは、さっさと返信して来るなんて!(必要な時は全く音沙汰がありませんでした。しかも、ものすごく早いレスポンスです!)

    自分にとって都合の悪い時にだけ早々と連絡して来た事だけでも腹立たしいのに、自分のミスを私のせいにするなんて…。もう、カチンカチン来ちゃいました。

    私は、ひょっとしたら私のタイプミスだったのかも…と思い、自分の送ったデータを確認までしていた(勿論間違いはありませんでした)ので、そんな自分がものすごく誠実な人間に思えてしまう程でした。

    余りにも腹が立ったので、「そちらのミスですよ!」と抗議してやろうと思い、メールを書きかけたのですが、渡仏後のコトを考えてちょっと筆が鈍りました…。お互い顔が見えないメールでのやり取りですから、感情的になるのは避けようかな…と。(保身に走るなんて、私って卑しい人間だわ、と我ながら情けない気持ちですが…。)実際に会って本当に嫌なヤツだったら、そのときに文句の一つも言ってやろう!と、今は…思っています…。

    kawamotoさん、「シテ…」について御紹介戴き、ありがとうございます。実は、当初「シテ」も念頭に入れていたのですが、受け入れ教官から「そんなに安いわけでもないから、あまりお薦めしない。」と言われて諦めてしまってました。もう一度チェックしてみます。

    nakanoさん、大使館の件も拝見しました。
    お気持ち、お察し致します。
    しかし、あれはまさに犯人と思しき人物が、書留の「抜け穴(?)」とか、渡仏しようとする人たちの諸事情に通じているから出来た仕業としか思えませんね。でも、取り戻せて何よりでしたね。同じ状況だったら、私も絶対に取り戻そうと踏ん張ったと思います。

    私の愚痴に優しい励ましやコメント下さったnakanoさん、kawamotoさん、ありがとうございました。頑張ります!

  12. kawamotoさん,援護射撃ありがとうございます。まあでも,初めての人には「肝心要のところ」がどこなのかがわからない,という困難はきっとあるでしょう。
    (なお,シテへのリンクがうまく飛べなかったのでちょっといじらせていただきました。)

    gettyさん,別に「保身」じゃないですよ。いまは「抗議をする必要がない」と思います。プレフェクチュールで不備を指摘されたら,そのときは思いっきり彼らのせいにしてやりましょう(そのためにメールのやりとりをコピーしてプレフェクチュールに持参してはいかがでしょうか。たぶんその必要すらないとは思いますが)。ここは単に「Ah bon ? Merci, au revoir」と踵を返せばいいのでは。

    こちらでそんなに真面目すぎたらしんどいですよ。相手はこういう連中ばっかりなので,日々闘いの連続です。日本で当たり前のことは当たり前ではないので,はじめからそう思わないとやってられません。宮台さんふうにいうと「不信ベース」の社会です,日本とは違って。だから,節目節目に証拠となる文書や写真をきちんと保存しておくことが重要です。たとえばこのyacoさんの投稿にもあるようにですね。
    https://socioanalysis.net/2005/06/04/014145/#comment235

    揉めたときに勝てるようにしておく,というやり方しか結局ないわけですが,フランスの法律をちょっと知っておかないと肝心なところがどこかは難しいでしょうね(もちろん私もそこはいまだにダメです)。

  13. nakanoさん

    コメントありがとうございます。

    >こちらでそんなに真面目すぎたらしんどいですよ。相手はこういう連中ばっかりなので,日々闘いの連続です。

    日々闘いなのですか…。
    きっと、あちらに行ってから、毎日毎日日を追う毎に、そういった事を肌で感じて行くのでしょうね。

    こと日々の生活や、自分の研究に関してはかなり自堕落な方なのですが、(逆にそのせいでかもしれませんが)公的な手続きにはかなり神経質になってしまっていたようです。

    >節目節目に証拠となる文書や写真をきちんと保存しておくことが重要です。

    肝に命じておきます。確かに、日本以外の国ではこの辺りをちゃんと踏まえておかないと、日本の道理は通じなかったコトを思い出しました。(一度それで大変な目に遭いました。)

    yacoさんの投稿も拝見しました。フランス人もそのくらい用心(?)するんですものね。私、ちゃんとやっていけるのか不安ですが、郷に入りては…で当たって砕ける位の覚悟をしております。単身渡仏を決意した事を、少々後悔しています…。

  14. お邪魔しています。

    gettyさんの気持ちはよくわかるので、書き込まさせてもらいました。
    シテは住んだこと無いし,研究者の価格としては高いといろんな人が言うんですが、わるくないと思います。日本館だけでなく、ほかにも入れる場合があるのだから、単身なら一度門をたたいてみてはどうかと思います。

  15. kawamotoさん,またまたフォローありがとうございます。

    ただフォローを無にするようで気が引けるのですが,9月からだともう満杯という新情報が,同月からこちらにくる後輩からありました(彼もあぶれたクチ)。なので,今はちょっと難しいかもしれません。

    ただ,研究者協会(Fondation Kastler)というのがあるので,相談に乗ってくれたり,どこかほかを斡旋してもらえる可能性はあります。

    皆さんのためにFondation Alfred Kastlerの連絡先を。
    http://www.fnak.fr/
    リニューアルされていて,私が使ったのと勝手が違うのですが(前はレジダンスのことも相談してくれとあった記憶があります。無責任ながら新サイトの中身をまだちゃんと見ていないのですが)。

    あと次のページをご存じですか? ご参考までに。
    http://www.asahi-net.or.jp/~pn5y-uru/visa.html

  16. kawamotoさん、nakanoさん

    再び、コメントありがとうございます。

    実は今日、書き込みをしたのですが、旨く送信出来なかったみたいです。そして今、新しいコメントも拝見し、こうして改めて書き込みをしています。

    お二人から教えて頂いたサイトや、投稿、拝見致しました。また、nakanoさんが教えて下さったページ(asahi-netのもの)は、ビザについてネットで検索しまくっていた時に興味深く、また不安を掻き立てられつつ読んだものでした。これは本当に大変だっただろうなと思いました。私は現在、中部在住なので、「そんなに何度も大使館へ行けないよー!!」とビクビクしてしまいました。

    住居探しについては、本当にお二人のお陰で、色々なフランスのサイトを知ることが出来たので、毎日チェックしています。
    早速シテのサイトも見て、情報提供の為の登録もしようとしたのですが、若干不明瞭な事があってまだ登録をしていません。おそらくシテのお部屋の形態というのか、タイプが分かっていないと(いや、おそらくは私の惨めなフランス語能力のせいだと思いますが)望んでいないお部屋の情報が送られて来てしまいそうだったので…。

    でも、とにかくまずは、御紹介戴いたシテやFondation Kastlerにあたってみようと思います。また、パリと関係のありそうな友人、知人に「もし住居のコトで何か情報があったら知らせて下さい!」とお願いして廻るつもりです。

    何だか自分の調査不足が恥ずかしいですが、nakanoさんやkawamotoさんの御好意に報いるためにも、絶対パリに行くまでにお部屋を探し当てたいと思います!

  17. どんな部屋でもパリに部屋を見つけることができるひとは幸運でしょう。

    私自身、可能な限りのところにあたりました。
    京大会という同窓会の幹事さまにもメールを送りました。
    結局、探してくれたのは私のホストでした。CNRSのユニットのポスドクが引っ越すのでそのあとに入りました。ホストが保証人になってくれました。フランス人とは思えないくらい親切なホストなのでそこまでしてくれました。ただし、引っ越し日が最後まで決まらなかったので,私だけ来て(女房と娘のチケットはキャンセルして)、ホストのアパルトマンに居候していました。

    ほかに、月単位で貸すサイトがありますが、数10%高いですね。アポロ不動産に頼んだ人を二人知っていますがどちらも満足していました。ただし、日本人相手なので割高です。OVNIの情報を利用するのも手ですが,いい物件はすぐなくなると聞いています。

    どうしてもみつからなければ、渡仏して、誰かのところにとめてもらうか、安いホテルに泊まって(フランス生活社というところを使った人も知っています)、住みたい地区の不動産屋を回るのが最後の手段です。不動産屋を回る時は、おしゃれをして、JSPSがお金を出しますと言う証明書をもって回りましょう。6−9月は不動産が一番動く時です。

    nakanoさんの、シテはもう一杯と言う情報もいいですね。そういう情報が流れているということは、空いている部屋を探すことができる可能性があると考えるべきです。ほかに探そうとする人がすくないわけですから。キャンセルや急に引っ越すことが決まったら場合、まわってくる可能性が高いと見ます。

    たいへんなことは一杯ありますが,めげずに、あらゆる方法を使って(メールで駄目なら、電話する。電話で駄目なら行ってみる。ある係員がだめといったら、隣の窓口に居る人にきいてみる)生き抜いていって下さい。1年後、2年後、きっとタフになっていますよ。

  18. kawamotoさん

    コメントどうもありがとうございます。

    新しい記事のコメントでも書いたのですが、シテに登録し、また、片っ端から友人、知人に「空き部屋情報」を聞いて廻っています。

    最近は、kawamotoさんやnakanoさん、また私の友人、知人が色んな情報や有益なコメントを提供してくれるので、本当に心強いです。

    お話に出て来た不動産屋さんなども、ネットで見ていたのですが、やはり割高なのですね。そういえば、フランス人向け(?)の不動産屋さんのサイトもチェックしているのですが、若干こちらの方が安いかな、と感じていました。
    お部屋に関しては、最終的には「気合いで見つけてやる!」と思っています。私のとりえは、唯一、『絶対に諦めない』所だけですが、これさえ忘れなければ、「何とかは」なるはずだ、と信じています。

    実際に、フランスで暮らしておられるkawamotoさんや皆さんの御苦労、アドバイスを、こうして聞かせていただけるだけでも、本当に自分は恵まれているなぁと感謝しています。
    本当にありがとうございます。

  19. すいません。私の不注意で,上の6月20日付のy*さんのコメントを看過しておりました。シカトしたわけではないのです。謹んでお詫び申し上げます(直メールもしましたです。申しわけなくて)。

    で,y*さんのコメントで引っかかるのは,「受け入れ先のスタンプを押したもの、オリジナルが必要です」という文言です。さにあらず,受け入れ先のスタンプだけでは足りないはずです。それに加え,受け入れ先の所在地の県庁のスタンプが要ります。

    仮に受け入れ先が大学としますと,「○○大学のハンコ(と責任者のサイン,以下同様)」と,その「○○大学のある県のハンコ」が2つ必要で,それを大使館に出します。大使館はビザを出すとともに,このプロトコルにさらにもう一つ「大使館のハンコ」を押します。

    この,2つハンコを押した状態のプロトコルは,私の場合は全面的に大学が用意してくれて,その状態で送ってくれました。なので私の仕事は大使館のハンコを取ること,だったわけです。

    最終的に,1枚の紙に3つのハンコが押されることになります。こうしてできたものがオリジナルのプロトコル・ダキュイです。

    さてこれはプレフェクチュールに出すためのものですが,オリジナルを手放してしまうと,自分が〇〇大学所属であるという証明が手元に何もなくなってしまいます。ですので提出する前にコピーをとっておくことをおすすめします。このコピーによって,大学の図書館が使えたり,例えばポンピドゥーのレッセ・パッセ(年会費を払って作るカード)などが教員の資格で作れます。

    おそらく提出する大学の人が「コピー要るよね?」と言ってくれるとは思いますが,私の場合,更新の際には急いでいたので急かされた彼女もコピーを忘れたまま警察に送ってしまったようです。

    で,どうしたか。できた滞在許可証を取りに警察に行った際,「プロトコルのコピーちょうだい。必要だから」と許可証の窓口のおじさんに言ったら,チャカチャカっとコピーをとって,「ハイこれ」とオリジナルの方をくれました。唖然とする私に「ほらこれ,ハンコが青いから。オリジナルだから」とか言って。「やー,いいんですかねぇ」とか言いながら私も受け取りました。オリジナル要らないんなら要求するなよ……。

    なので私はオリジナルを手元にもっております。

現在コメントは受け付けていません。