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細野大臣にメールしてみたYO!

細野豪志原発担当/環境大臣にメールしてみました。彼のHPの問い合わせフォームから。ちょっと甘いかなとは思いつつも,こんな感じで。

汚染瓦礫拡散につき,再考をお願いします

細野大臣,

はじめまして,青山学院大学総合文化政策学部の中野昌宏と申します。

単刀直入に申します。「国民全体で痛みを分かち合う」とのお考えですが,汚染された瓦礫を全国に拡散させる方針は間違っていると私は考えます。

今回原発事故によって日本の国土の一部,特に福島県などが甚大な被害を受けました。大臣のおっしゃる「痛みを分かち合う」とは,すなわち瓦礫や農作物を全国に拡散させることは,当初の事故による被害をこれから長期間にわたって日本国中に拡大していくことを意味するだけです。大臣は「これからも被害を拡大させます」とおっしゃっているのです。なぜなら,この「分かち合い」によって,他地域の人々の被害は純増するのに,福島の人々の被害は劇的には軽減されないからです。より正確に言えば,瓦礫処理の負担は軽減されるでしょうが,放射能汚染による健康被害については,線量があまりにも高いために,少しばかり瓦礫をどけようと莫大な費用かけて除染をしようと「焼け石に水」でしょう。

「除染なくして,福島の復興なし」。それはそうでしょうが,事態を楽観視されすぎているように思います。チェルノブイリでも最終的に除染はあきらめられたのでした。きちんとやろうとすれば山の木をすべて切る,表土もかなり深くまで取り除くなど天文学的な費用がかかりますし(もっと早く取りかかっていればより容易だったはずですが……),しかもそれに見合った効果は保証できないはずです。あくまで「そこに人が住む以上はやったほうがよい」ということであって,それならばむしろ移住させてしまうことのほうが安上がりかつ効果大ではないでしょうか。

ともかく日本国内の福島以外の場所に潤沢に安全地帯があることが,福島など高線量地域の人々を最大限(原理的には全員)助けることができる前提条件なのであって,汚染を拡大することで日本全国から安全地帯を完全になくしてしまう政策というのは,誰をも助けない,はっきり間違った政策だと私は思います。

国民の健康被害と,国土の汚染は,密接ではあれ別次元のものです。瓦礫や農作物など,基本的に汚染されたものは移動すべきではなく(法律どおりに),むしろ国民を安全な地域に避難させるべきというのが正論であり,それは多くの人がすでに主張していることです。除染にかけるほどの高額の予算があるなら,事故発生から7ヶ月も経っているのに,どうして国が責任をもって人々を避難させてやれないのか,どうして福島の農家の農作物汚染被害を補償しないのか,理解に苦しみます。

「経済」を重視する方々もおられますが,もしも放射能汚染によって国民の健康が損なわれ,10年先の労働人口が従来予想以上に減少してしまっては,「経済」にとっても大打撃でしょう。そればかりか,がんや白血病や心臓病などで長期の闘病生活を強いられる人々が多くなれば,国民健康保険も医療システム全体も確実に破綻します。人々を,特に子どもたち=次世代の国民を大事にしないで「経済」を云々するなどとは,単に近視眼的であるという以上に,端的に矛盾なのです。

福島の土地は除染しきれないほど汚染されてしまいました。しかしかろうじて,福島の人々を助けることはまだ可能です。避難・移住はもちろんそれはそれで悲劇ですが,人間に命があれば,人が生きていれば復興も夢ではありません。しかし,ここで放射能の危険性を過小評価しあるいはなかったことにして,危険地域の人々を危険なその場に留めつつ,汚染されたものを安全地域に移動していけば,じわじわと全国の多くの命を(つまり労働力を,そして国力を)蝕むことになるかもしれないのです。そうなったら「経済」も,決して浮かび上がれなくなります。

これ以上被害を拡大しないでください。国民が「分かち合う」べき「痛み」とは比喩であるべきで,本物の身体の痛みを,病気や死を,日本全国に広めるのをどうかストップさせてください。期待をしておりますのでこうして苦言を申しております。この件につきぜひご再考をお願いいたします。

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