第14回口頭弁論の報告
2022年6月3日(金)13:10より、第14回口頭弁論が開かれました。この回に先立って、裁判所から小川弁護士に事前に連絡があり、世耕氏本人の尋問が実施されるにあたり、こちらが申請しているよりも明らかに短い尋問時間を提示されました。また、中野側が求めている専門家証人を1人も採用しないことが予定されていました。こちらとしては承服できないので、急遽意見書を作成し提出しました。この、証人尋問の内容について協議することがこの回の主な内容となりました。
弁論では、まず日程調整の協議が行われ、7月22日に決まりました。(注:後に、安倍晋三元首相銃撃事件を受けて、警備の都合でこの期日は取り消しとなります。)
海渡弁護士は、事前に打診された時間では短すぎること、専門家証人を呼ばない意向と感じるが専門家証人も認めるべきこと、本訴と反訴と事件が2つあるので時間がかかるのが当然であること、世間の注目が集まっているので大法廷でやってほしいこと、などを主張しました。
さらに、この裁判では国際人権法の専門家証人は絶対に必要であること、専門家証人を呼ぶことによって、過去にも充実した審理に繋がった経験があることなどを述べ、申惠丰先生だけでもやはり認めてほしいと裁判官に再度求めたところ、中野側が意見を補充する書面を提出して、その内容によって必要かどうかを裁判所側で検討する、ということになりました。
また証人尋問については、午前に原告(世耕氏)に対する尋問を行い、午後に被告(中野)の尋問を行うことを裁判長が提案しました。しかし、ここに至ってもなお、世耕氏側は裁判所の滞在時間を1時間と想定して調整していた、在廷時間を1時間確保するのは難しい、などと、世耕氏に対する調べに対する後ろ向きな姿勢を示し、調整はやや難航しました。
裁判所も尋問時間に関する中野側の要求は妥当と考えていたように思われ、最終的には海渡弁護士の「見苦しいことはやめましょう」という諫言もあって、中野側の求める最低限の尋問時間1時間が確保されることになりました。