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時事 Archive
マスコミ批判をしてもしょうがない。それよりもやることがあるだろう
- 2006-11-18 (Sat)
- 時事
今回の記事はいくつかの不穏当な発言を含んでいるかと思うが,どうか真意をご理解いただきたい。
私はいま,留学生が3分の1いるクラスで靖国問題について議論している(英語)。留学生はアメリカ,ドイツ,オランダ,中国,台湾,などなどから来ている。アジア系の留学生がもっと来るのでは,という予想に反し,韓国からの学生がいないのが何とも残念である。やはりこのデリケートなテーマを嫌ったのかもしれない。
中身としては,日本の戦争の歴史,靖国神社の背景,神道とは何か,天皇とは何か,東京裁判とは何か,A級戦犯とは何か,中韓の立場はどうか,アメリカの立場はどうか,日本とドイツの違いは何か,などなど,さまざまのトピックに分けて報告してもらい,議論をしている。学期の半分まできたところだが,当初面白くやっていたのが,どうも議論が盛り上がらない。確かに勉強にはなっていて,特に日本のことをよく知ってもらいたいというこちらの意図自体は大当たりであると言ってよかろう。しかし小泉前首相の靖国参拝について意見を聞いてみても,ほぼ全員が「それはあかんやろ」という反対の方に回ってしまって,支持する者がいない状態である。盛り上がるはずがない。
なあんだ,やっぱりそうなのかと思うと,気が抜ける。ヘタレネット右翼なんて,その名のとおりネット上にしか沸いていないのかもしれない。これだけ情報を仕入れて合理的に考え,国籍を超えて多角的に議論すれば,変な答えなんてそうは出ないものだということなのかと,多少の安堵を覚える次第である。
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いじめの件について
- 2006-11-14 (Tue)
- 時事
ご案内のように,このところいじめの被害者たちが自殺している。文科省は毎日届く予告状への対応に苦慮しているらしい。
いじめられた人間が自殺する理由は2つ。(1)いじめられている環境から抜け出せるから。(2)いじめたやつらに抗議できるから,あるいはそいつらを社会的に制裁できるから。自殺というオプションは,この意味で一石二鳥なのである。両方の動機があるからこそ,死ぬのもアリかなと思えてくる。
ということがわかっていれば(想像すれば誰でもわかるよね?),この期に及んで「命を大切に」なんて表層的な言葉が何の意味もないのはわかりきったことである。なのになんでそんな変なこと言ってる人がいるの? 命を大切にして,卒業までは毎日地獄でも耐え抜きなさいとでも言うつもりなのか。サディストだなあ。
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政教分離のキモ
- 2006-09-18 (Mon)
- 時事
ローマ教皇ベネディクト16世の発言が物議を醸しているのは,ご案内のとおりである。教皇が,イスラム教は本質的に暴力を許容するものだ,という内容のことを発言したという話。「バチカンも,バカチンだなあ」などと乾いた笑いを飛ばしているあなたは,はたして事の真相をご存じか。どうも報道がおかしくないか。
と思ってネットでニュースを探し回ること3分,産経とgooニュースに発言の抜粋があった。バチカンの原文も発見したので見比べてみると,どうもgooニュースの方が翻訳としてはよさそうである。
ともかくこの発言中の難点の1つは明らかで,各社報道しているように
皇帝は『ムハンマドがどんな新しいものをもたらしたか、見せてほしい。自分が唱える信仰を剣で広めよという教えをはじめ、邪悪で非人間的なことばかりだ』と言った。
という一文だろう。が,これは「皇帝」の発言だし,ローマ教皇の考えではないのは確かだ。全体の論旨もイスラーム批判とは無関係。ドイツの人たちもそう言って擁護している模様。
ただ,ちょっと刺激が強すぎただろうなとは思う。イラク戦争とかイスラエルの侵攻とかいう情勢のなか,それでなくとも相手は激怒モードなのに,マヌエル2世の言葉を借りているとはいえ邪悪とか非人間的とか言われた日にはなあ。教皇も「空気読め」と言われてもしかたがないな。
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クラスとメンバーの政治経済学
一見平等にしつらえられている社会だが,まあ皆さん先刻ご承知のとおり,実際のところはそうでもない。力の強い者が強く,弱い者が弱い。ただそれだけ。
ではどういう者が強く,どういう者が弱いか。これが問題だ。
「金持ちは強く,貧乏人は弱い」か。当たらずといえども遠からずだろうが,正解として十分ではない。それは私の考える回答の特殊ケースにすぎない。
あるいは「人民は弱し,官吏は強し」(星新一)なのだろうか。私に言わせると,これもちょっと一面的な特殊ケースの部類である。
要するに,こういうことなんじゃないだろうか。
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1月17日――地震つながり
- 2006-01-18 (Wed)
- 時事
昨日2006年1月17日はいろんなことが重なった日。
この日は私にとっては,まず阪神大震災の記念日(?)である。もともと私の実家は神戸市東灘区にある。95年当時の私は大学院生(修士課程)で,京都に下宿していた。
▼地震が起こったのは,忘れもしない修士論文提出期限=1月20日の3日前である。私は当然,夜中までパソコンのキーを叩いていたのだった(Windows 3.1+TeX上で)。布団に入ったのがたぶん朝5時ごろ。なので地震のときにはうとうとはしていたがまだ寝入っていなかったか,寝入ってすぐだったはず。私の下宿は1階だったので,横には大きくは揺れなかった。ただ,ガン!という下から突き上げる衝撃に少々びっくりしたのと,揺れ自体が異様に長く続いたことだけは感じられた。
最初はそのまんま寝るつもりだったが,んー,これはひどいんじゃあ~りませんか,と思い寝ぼけまなこでテレビをつけてみた。が,まだ情報が集まっていないらしく,まったりとした様相。しかし京都の震度が「5」と表示されていて,あぁ,いちばんひどいのねと納得しつつ二度寝体制に入ると,今度は彼女(=現・妻)から電話がかかってきて,「大丈夫?!!」とか言っている。ボケーッとしているこちらに比べ,かなりの半狂乱状態である。それもそのはず,彼女の家(吹田市。で7階)では家具は飛び交うわ,食器棚の中のものはザーッと落ちて全部壊れるわでまさに被災地だったらしい。
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差別したい人の気持ち,戦争したい人の気持ち
- 2005-11-16 (Wed)
- 時事
フランスでは,移民の若者による暴動がまだ続いているようだ。実に55年のアルジェリア独立戦争以来の非常事態宣言で,それもさらに3カ月延長される見通しらしい。私が胸を借りていたパリ第8大学は,パリの北に隣接するサン・ドニ市にある。このあたりはかなり治安が悪いと聞いてはいたが,今回の暴動の震源となったのもこの近くらしい。というわけで私としても気になる事態である。
一方日本では,例の選挙で自民党一党独裁制が復活し,再軍備に向けての改憲の動きが活発である。そのさなかにも,どういう得があるのかよくわからない首相の靖国参拝強行や,米軍のトランスフォーメーションのために沖縄の基地をなぜか日本が自腹で移転させてさしあげるなど,何だか理解に苦しむ動きがあったりする。自力でよくよく調べないと,われわれ一般市民には,誰が何のために何をしているかわからないところだろう。というか調べてもやはりわからないが。と同時に,2005年体制とか言われているが,実は1955年体制に先祖帰りしているのではないのかとも思われ,文明が進めば野蛮が帰結するという「啓蒙の弁証法」(アドルノ/ホルクハイマー)が蘇ってきたかのような危機感を覚える。
いずれの場合についても,55年という数字,あるいはきっかり50年前という数字,これらがヘンな符合を示しているのは偶然だろうか。そうかもしれないが,何となく「帝国主義」とか「植民地支配」の時代の終焉を,これらの年号が画期しているようにも思える。
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ひとは「謝る」ことができるか?
- 2005-08-17 (Wed)
- 時事
15日は60回目の終戦記念日であった。私は命知らずにもなぜか中華レストランで食事をしたのだった。招いてくれたフランス人の友人(彼はこの日がわれわれにとっての終戦記念日だということを完璧に忘れていた)に,今般の日中の軋轢について説明すると,彼は,難しいよね,関係の修復には2世代くらいはかかるだろうな,と答えた。いやそうではなく,いままさに若干の身の危険を感じる,と私は言いたかったのだが(実際にはもちろん何もなかった)。
それはそうと,小泉首相の靖国神社参拝は(米国の圧力で@内田樹の研究室)なかったとのこと。それだけでなく,「小泉談話」では中韓の国名を具体的に挙げて「おわび」までしている。中川経産相の参拝と対照的で,私もはじめは何だこりゃと思ったが,まあ小泉首相としては,アメリカさんに言われたらしょうがない,ということなのだろう。
ただ残念ながら,このように唐突に謝罪されても,中韓の皆さんのほうでは「本質的にはタカ派のくせに,口先ばっか調子いいよね」と思われているようで,よくても「まあ実際の行動を見せてもらおうじゃないの」という反応らしい。そりゃそうであろう。
さあ,これは反日デモのときに考えた,もう一つのネタを開陳するにふさわしいタイミングである。
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