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人生いろいろ,帰国後いろいろ

早いもので,もう帰国から1ヶ月以上経ってしまった。この間いろいろあったけれど,いろいろありすぎて書く暇がなかったのである。主なイベントは以下の4つ:

・転入手続(9月26日~10月3日)
 戸籍を大分にもたないため,「戸籍謄本」「戸籍の附票の写し」が足りず失敗。10月3日にようやく完了。息子は10月2日の運動会には出られず,4日から編入することに。

・楽しいソワレ(10月8日)
 大阪のフランス語教室ソワレにお邪魔。ここを運営されているmikaさんとは,ギマールつながり(しかもネット上)なのである。

・「パリ子育て奮闘記」(10月13日)
 大分日仏協会主催「フランス万華鏡」(場所・コンパルホール)にて講演。フランスでの苦労をパワーポイントを使いつつ皆さんに語る。

・『貨幣と精神』再校(10月12~27日)
 もうすぐ出るはずの単著の再校と索引作業。索引ってのが慣れないため,大いに手間取る。


ここらあたりからやっと平常運転が始められそうである。やれやれ。とにかく授業の準備がなぜかたいへんである。目が回りそうなので,科研費の申請は,今年はあきらめた(いいのか? ていうか大分大学教職員の皆さま,すみません)。 ま,どうせあたるまい。中央のカネはそう簡単に田舎には回ってこないものなのである。

▼職場も以前と変わらないし,家にしても出かけたのと同じ宿舎(築28年くらい)に帰ってきたので,むしろ1年半のパリ生活がまるごと夢だったかのようである。子どもたちだけむやみに嵩高くなっており,家が狭いこと夥(おびただ)しい。

しかしこの間に大学は大きな変化を被っていた。言わずもがなの「法人化」である。制度の変更,人々の言動で自分が浦島太郎であることに微妙に気づく。教務委員長なんか,「(文科省に)『運営費交付金で研究なんかすんな』とはっきり言われたもんなぁ……」とぼやいていたぞ。確かにひどい言われようである。

そうか,この1年半のあいだに,日本の大学はきっぱり研究機関ではなくなっていたのか。って法人化前から予想のついていたことだが。しかし本当にそうなったのを自分の目で確かめるのは寂しいものである。

▼政治の状況は,何というか,目を覆うばかりの惨状で,あらためてガッカリである。

まず,私にはいまだに郵政民営化がなぜ必要なのかがよくわからない(言っとくが私は「郵政民営化法案に反対」ではなく,「郵政民営化自体に反対」である)。合理的な説明が欲しいところである。それがあれば私はすぐに賛成に回るのに。何なのかな。やっぱり「銀行族の逆襲」なのかな。それとも自分が安易に国債振り出せなくするための,「自分への戒め」なのかな。

竹中大臣のホームページには説明っぽいものも書かれているようだが(「これでも『郵政民営化』に反対しますか」),愚にもつかないメリットを挙げているだけで,素人にもこき下ろされている程度のものでしかない。デメリットも書いていない(当然か? しかし公平じゃないだろう)。要するにごまかしにすぎない。小泉もこれの必要性を国民に説明してきたわけではなく,居直って「オレがやると言っているのに,なぜ反対するのかわからない」と言い続けてきただけ。何だよそれ。

まあ特定郵便局長の集票力を落とすというのはメリットだろうが,言えんわな。

しかしねぇ,そんなの単に郵政族に対するルサンチマンじゃあないの。私怨ですよ。「けしからん」というより,実は心の底で「うらやましいぞ憎たらしいぞ」という話なのではないのか。しかもシステムもろとも連中をつぶしたあと,あおりを食らうのは地方在住者とかミドルロウアー以下の一般庶民なんだがなあ。

あるいは,「うまくいかなきゃニュージーランドみたいにあとでもう一回国有化すりゃあいいじゃん」とか思ってるのかな……。あれはまったく取り返しのつかんロスではないか。

てか,郵政族つぶしたいんならもっとほかに誰もが納得する直接的な方法があるだろうに。郵便局長を試験で採用することにするとか(いまは「世襲」なのである,呆れたことに)。私はよく知らないのだが,何かあるだろう。考えれば。

▼ともかく小泉自民党は,郵政民営化を争点として選挙をやって,反対する党員がいたら刺客を送って,地元の党支部も叩きつぶして,「国民の支持を得た」。驚いたことに反対派の(「造反」)議員も,選挙が終われば一様に掌を返し,党本部に追従した。「粛清」を恐れてのことであろう。

そういうのをこそ,「気骨がない」と言うのではないだろうか。

あるいは,それを言うのがちょっとかわいそうなら,「党の公認が得られなかったら即政治家としてやっていけない」かのような,強力すぎる「政党」という組織のありようがいけないのではないか(野田聖子なんかにしても,あんな無様なことになってもまだ自民党にしがみつこうとしている。にわかにはその神経を理解しかねるが,逆にそれだけ自民党ブランドがありがたいということなのであろう)。

重要な(正確には,首相が重要と言っている)案件で意見がはっきり分かれているのだから,反対派はとっとと綿貫みたいに独立新党を作るのが筋だったろう。しかしそれでは自民党を郵政族とそれ以外で割ることになるので,自分たちの「力」が減退すると大方の議員は判断したのであろう。つまりは――

構造的に,日本の政治家はみな,「勝ち馬に乗る」ことしか考えていない(あるいは,考えることができない)ということではないのか。

「死して屍となっても(つまり,次の選挙で党の公認を得られず,その結果落ちることになるとしても),断固言うべきことは言う」という気骨ある政治家はいないのか?

いないとしたら,二大政党制なんて夢のまた夢である。「言うべきこと」を誰ももたず,とにかく多い方の政党につくのが得策なら,一つの大政党がさらに数を呼んで,また55年体制時代の一党独裁制に戻るだけなのは火を見るより明らかではないか。

普通は,意見・立場がバラけるから,皆が一党にばかり集まることはないはずである。しかし今の日本では,意見の内容や合理性や説得力などよりもはるかに数の論理の方が大きく働くから,こうした現象(「バンドワゴン現象」と言いますな)が起こるのである。

▼皮肉にも,今の日本で「言いたいこと」(「言うべき」かどうかはともかく)を言えるのは小泉首相ただ一人になってしまった。周りも全員イエスマンなので(そりゃそうだ),ポスト小泉を考えることすらできない。こんな状態では,小泉イズムがファシズムと区別がつかないとヤユされても仕方がなかろう(ファシスト体制にあって小泉体制にないのは,「SS」「行動隊」に類する暴力組織がないことだけだ。いや。街宣車に乗ってるのがいるなあ)。

e0089387_20562047.gifというわけで,当ブログは,行き掛かり上これを貼らねばならないような気がする。

あんまりつるむ気はないのだが。貼らんと不自然な気がして。

政党というのは,意見を同じくする人々が連帯するためにあるのであって,意見の異なる人々を押さえ込むためにあるのではないと思うのだが,違うのか。まず制度的に,政党というものの力をもっと弱めて,個人が自らの信念に従って忌憚なく意見を表明できるようにすべきである,ということを誰もおっしゃってはくれないのだろうか。「政党政治」なんてそんなもんさ,ってあなた,それでいいわけか本当に?

また,意見そのものの合理性や説得力を競うということ,つまりしっかりした意見を持つこと,そしてきちんと討論することを,これからの日本人は学ばなければならない。これまでは政府は,「依らしむ可し,知らしむ可からず」(の間違った解釈)というわけで愚民政策をとってきた。余計な知恵を持つ者は目障り以外の何ものでもなかったのであろう。その結果これほどまでの衆愚政治が現出した。哲人政治が必要とまでは言わないが,普通に合理的にものを考え発言する人々をもっともっと輩出してゆかなければならない。それこそが国益に適う国策というものである。というかとりあえず「米百俵」の正しい解釈である。

経済学史における「小さな政府」の何たるかを知らず,今の日本政府が大きいのか小さいのかも知らないような輩が,もう21世紀だというのに「小さな政府を信じます」とか世界に公言してしまうようでは困るのである。

おそらく,今の日本には「哲学」教育が必要である。われわれにとってどういう社会が理想なのか,われわれはどういう社会を作りたいのか,そのためには何をどうすればよいのか,逆にどうしてはいけないのか,そういうようなグランドデザインをこいつらはどこまで考えているのだろう。物事を深く考えるなんて時代遅れだとでも言うつもりなのか。その場しのぎの技術論ばかりでは話にならんぞ。

▼そういうわけで,私はこれから日本を哲学的に啓蒙してゆく所存である。毎日毎日,ちょっとずつ啓蒙してゆくのである。小さなことからコツコツと。

先日,別府大学の院生さんが私の研究室を訪ねてこられた。臨床心理専攻だけれど,ラカンに関心がおありとか。また,別大の先生にも何人かラカンに興味をもたれている方がおられるとのこと。

そうか,この大分にもラカンを研究しようという方が複数おられるのね。このうえはぜひ,「大分ラカン協会」を設立すべきだろう。本部はもちろん耶馬渓に。

ウソですよ。ネタですよ。

てか説明しないとわからんネタですな(※中津市本耶馬渓町に「羅漢寺」があります)。

しかし,「ひょうたんから駒」ということもありうる。今後の動向に注目したい(さしあたりは他人事として)。場合によっては,耶馬渓が21世紀の日本の原点となる日が来るかもしれぬのじゃからして。

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