アールヌーヴォー:ムダって言うなよ,そういうのを

楽器博物館ブリュッセルに行ってきた。ここはフランス語とオランダ語の2言語を話す国の首都。そしてEUの中心。つまり国際都市の代名詞といって過言でない街である。しかし別の顔として,「アールヌーヴォーの都」という側面がある。エクトール・ギマールの建築に関心を持つ私は,やはりそちらの側面に興味があった。

この街でパリにおけるギマールのように著名なのは,ヴィクトール・オルタである。彼の産み出す建築およびデザインというのは,やはりギマールと決定的にテイストが違う。私としては連続性を期待して行ったのに,そして作品群をじろじろ眺めながら連続性をしつこく探したのに,厳然としてそうでないので,小さな驚きを覚えたのだった。

なおこの写真はオルタではなく,ポール・サントノワの旧オールド・イングランド百貨店(現・楽器博物館)。

Continue reading

フランスに学ぶ少子化対策

ネットでニュースを見ていて,「おっ」と思わせる記事を見つけた。

「少子化対策:内閣府、仏独の育児支援制度などを調査」(毎日)

おお,やるではないか,内閣府。まあとりあえず調査だけではあろうが。

このネタは書こうと思っていただけに,ちょっとくやしい。まあでも,この件についてフランスに学ぶべきことはまちがいなく多いはずだ。だからこれは喜ばしいニュースである。

まずはリンク切れに備えて全文を引用しておこう。

Continue reading

新宮・立木編 『知の教科書 フロイト=ラカン』

新宮一成・立木康介編 『知の教科書 フロイト=ラカン』(講談社選書メチエ)が出ます。すでに見本がパリまで届きました。

書店には10日ころに並ぶそうです。しかしなぜかビーケーワンだといま買えます。

フロイト=ラカン
新宮 一成 / 立木 康介編
講談社 (2005.5)
通常2~3日以内に発送します。

Continue reading

「反日」補足

あとで読み返すと何だか締まらないエントリーを書いてしまったので(眠かったんだもん),補足したい。

  • 要するに第一に言いたかったのは,「反日」という表現は,「日」というところで「部分と全体の混同」を誘導するものになりかねない,ということだった。
  • 一方で,かといってねじり鉢巻きで「部分と全体を区別しましょー」と叫んでも,ちょっと虚しいかも,ということも言いたかった。
  • なぜかと言うと,一つにはこの混同するという機能は人間の精神に普遍的なものだから。
  • もう一つには,混同するには混同するだけの理由があるから(つまり「敵」をつくりたいからね)。混同「したい」人がいるんだから,そういう人に分けてねと言っても虚しいというハナシである。

まあそんなところである。以上まとめ。

しかしまとめだけだと寂しいので,関連資料をつけました,というのが今日のエントリーである。

Continue reading

「反日」という表現について

日本の憲法記念日が過ぎ,中国の「五・四運動」記念日が来た。

ご案内のようにこのところ,日中関係がぎくしゃくしている。そしてそれについてまたしても星の数ほどのブログがそれぞれの意見を述べている。

そこへ私がつけるコメントはあまりないわけだが,待っていてもやはり誰も言わないようなので言いたくなったことが2点。

  1. 「反日」という表現は何かアヤシイのではないか
  2. 「謝る」ということは可能なのか(実は不可能である)

今日は第1の点を肴にしたい。

Continue reading