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社会分析学ウェブサイト @中野昌宏研究室 - 2004-08

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2004-08

ローソンをめぐるクロネコヤマトと郵政公社

この件について皆さんいろんな感想をお持ちでしょうが,クロネコ(民)とゆうパック(元・官)との闘いという視点からは,やはりクロネコにがんばってもらいたいものです。

ヤマト運輸の創業者は許認可で官僚にさんざん足を引っ張られながらも,民間企業として全国津々浦々まで荷物を届けるサービスを展開してきました。他方郵便事業は言うまでもなく税金に支えられていますので,価格競争では有利で当然です。クロネコにしてみれば,自分が官僚たちの妨害にも負けずにやっと築いてきたものを,その官僚たちがまたぞろかっさらっていくわけですよ。ローソンとの提携を切るなんて,経営戦略的には明らかに厳しい選択であるわけですが,きっと悲憤慷慨,頭から湯気が出ていることでしょう(参考)。ローソン側も「おらおら,ゆうパックも扱わんかい」という上からの圧力の前に,クロネコごとき一民間企業に操を立てることもできなかったんでしょうね。

もしも,小泉首相の言うように「民間にできることは民間に」というつもりで郵便事業を民営化するのなら,こういう「民業圧迫」はもちろん間違ってます。「規制緩和」なら何でもいいと思っている人が多いかもしれませんが,とんだ大間違いで。だいたい郵便事業なんて,すべての荷物について採算とれるわけじゃないんだから,民営化には向かないんですよ。官僚側からすれば,「民営化」というスローガンが実はカモフラージュかもしれない(田中宇ふう?)。単なる思いつきでないとすればね。でも最近の政治家は思いつきだけでいろんなものを壊していくからタチが悪いとも言う。

ちなみに海外生活ではクロネコはとても頼りになります。フランスの郵便システムはとても「郵便的」((c)東浩樹)だから。EMSですら信じられんもんなー。がんばれクロネコ! 株安なんかに負けるな!!

ヴァレラ会議

sorbonne4ずいぶん前のネタですみません。こちらはバカンス中のためネタがないのです。

6月18~20日にソルボンヌで開かれた,フランシスコ・ヴァレラの追悼会議に顔を出してきました。

内容的には,ヴァレラに近しい人たちがそれぞれ報告をするというスタイルでしたが,それなりに面白かったです。あまりに長いので疲れてしまったんですけど。300人近い参加者のうち,日本からの参加はわずか3名。だいたい半分がフランス人でした。もちろん会議自体は全部英語です。そのへんのフランス人とも英語で話したりして,何か妙でした。

個人的には,ヴァレラの人と思想を追ったドキュメンタリー映画「monte grande」がよかったです。何といっても本人が出てるしね。

疑問なのは,欧米でヴァレラに関心をもつ人,こういう会議に参加する人というのは,なぜか「仏教に関心がある」という人が多いのです。仏教といっても禅宗系,というか自力本願のやつ。ヴァレラ自身もチベットに行ったりして,瞑想中の坊さんの脳波を測ってる絵が映画にも出てきます。

こちらが日本人だとわかると彼らは身を乗り出してくるんですけど,しかし,私のように葬式仏教を奉ずる多くの日本人にとっては,これはオリエンタリズムとしか思えないわけです。だいたい日本で最もメジャーなのは他力本願の浄土真宗であって,言い換えると「悟りの宗教」ではなく「救いの宗教」の方でしょう。悟れる人というのはごく一部の人々にすぎない。阿弥陀仏のパワーは無限大なので,どうしようもない凡夫も救ってくれるという話になっているはずです。じゃないと私も困りますし(笑)。

だから,修行中の人間の状態というきわめて特殊な状態を科学的に特定することに,いかほどの意味があるのか,というのが私の疑問です。それはたしかに尋常じゃない状態なのでしょうが,生命現象として普遍的に起こっている状態とは明らかに違うわけじゃないですか。むしろ後者の方を解明しようというのが,生命理論の本来進むべき道ではないのでしょうか。

どうなんでしょうね。まあそれはそれで意義あることなのかなあ。わかんないです。修行(というか解脱というか)ということの本来の意味も,実は特殊な状態にトランスするっていうことじゃないんだろうと思いますし。

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